昔のひとりごと
2011.4月

4.2

 リエナの衣装について語ってみます。

 ローブやほっかむり(お話では『頭巾』)のデザインそのものは、SFC版公式と同じです。ただ、ローブはかなりゆったりめで、裾も長め。足元はブーツです。また、ほっかむりと同じ色の長い手袋をはめています。

 リエナの場合、管理人は、徹底的に「低露出」にこだわっています。ローブの裾が長いのも、風が強くて、少しくらい裾がめくれても、足が見えてしまうことがないように。長い手袋をしているのも同じ。また、全体にゆったりとしているため、体型はほとんどわかりません。

 ルークはちょっと(だいぶ?)つまらないかもしれませんが、『驟雨』で、一度はいい思い(ルーク本人は拷問だと言ってますが)もしましたし、いつか来るかもしれないその時まで楽しみはとっておく、それでいいんじゃないかと思っています。

 もう一つ、管理人からお知らせです。

 小説おしながきの作品のカテゴリー分けを変更いたしました。<旅のワンシーン>を削除し、<捧げもの>を新設しています。

 このように変更した理由は、ワンシーンの作品のほとんどが、<旅のエピソード>と同軸の作品のため、起こった出来事の順番に並べた方がお話全体の流れがわかりやすいと思ったからです。

 この変更に伴い、カテゴリーを移動した作品については、URLも変更しています。もし、直接作品にブックマークされているお客様がいらっしゃいましたら、こういう事情ですので、ご了承願います。

4.19

 すこし設定、というかDQ2をプレイする時の、自分なりの縛りと、それに関連した妄想など書いてみます。

 うちのムーンブルクの王女リエナは、もともと小柄で細く、力も弱いため、物理攻撃は一切できないキャラと設定しています。また管理人の捏造設定では、リエナ愛用の魔道士の杖は、あくまで魔法使いの呪文の効果を高めるためもので、打撃攻撃に適した武器ではありません。

 なので、管理人の書くお話のなかでは、リエナはあくまで専門の魔法使い。最初から最後までずーっと同じ魔道士の杖を装備していますが(いかずちの杖は使いません)杖で「こうげき」することはありません。

 昨年久し振りにゲームをプレイした時も、原則これを守っていました。ただ、MP節約のため、途中からいかずちの杖を装備して「どうぐ」を「つかう」ことだけはしていました。そして、「こうげき」は一切させず、「じゅもん」か「ぼうぎょ」に徹していたのです。

 ただし、一つだけ例外がありました。それは、メタルスライムとはぐれメタルとの戦闘のとき。やっぱり経験値が欲しいですけど、2はまじんぎりもメタルぎりもありませんので、この時だけはリエナの細腕にもがんばってもらっていました。

 そして、ある戦闘で。

「リエナのこうげき! かいしんのいちげき! リエナははぐれメタルをたおした!」

 なんとなんと、こんなことが起きてしまいました。この瞬間、管理人の脳内で、あっけにとられる男二人と、真っ赤になっているリエナの映像(わたくし、いったい何をしてしまったの……?のせりふ付き)がまざまざと浮かんだのです。

 クリアまでの間に、リエナが会心の一撃をだしてくれたのはこの時の一回限りでしたが、なぜ非力な彼女が、守備力255を誇る、あの硬ーいはぐれメタルを倒せたのか? 管理人が考えるには、「当たり所が悪かった」からではないかと思っています。

 はぐれメタルの方がリエナに攻撃を仕掛け(とりあえず、管理人が「こうげき」コマンドを実行した事実には目をつぶって)リエナはあくまで「ぼうぎょ」のつもりで杖を目の前に振りかざした。そうしたら、偶然にもはぐれメタルを「こうげき」してしまった。

 それも、魔道士の杖の頭(?)の部分についている紅色の石が、はぐれメタルの眉間にクリーンヒットしてしまったのではないか。言いかえれば、はぐれメタルは自分から魔道士の杖におでこ(?)をぶつけに行ってしまった、なまじ素早いだけに勢いがある分、ダメージも大きかったのではないか、そう考えたら納得できる気がしたのです。

 以下、ちょっとこのシーンの文章を書いてみたくなりましたので、ここでアップしておきます。普段とは違う雰囲気かもしれませんが、よろしければどうぞー。

***

 三人は船を降り、テパの村への道を急いでいた。生い茂る大木の陰からがさりと音がした。魔物の気配に、先頭を歩くルークはすぐさま背中の剣を抜き、身構える。予想通り三人の目の前に、鈍い銀色に光る魔物が現れた。はぐれメタルである。

 はぐれメタルは、三人に気づくとぴたりと止まり、ちいさな丸い眼で、じっと彼らを見上げてきた。この魔物は臆病なのか、人間を見かけると、一目散に逃げ出すことが多いのであるが、この個体はどうやら好戦的な性格らしい。いきなり、ルークに向かって閃光の呪文を唱えてきた。

 ルークは咄嗟に左腕の盾をかざして呪文を防ぎ、同時にはぐれメタルに斬りかかる。彼の渾身の力を籠めた攻撃も、数多の魔物の中でも最高の守備力を誇るこの魔物には、わずかな傷を与えるのが精一杯である。おまけに非常に素早いうえ、呪文さえも一切効果がなく、地道に物理攻撃を繰り返すしか倒す方法がない。

「リエナ、後ろに下がってろ!」

 ルークが自分のすぐ後ろを歩いていたリエナに声をかけた。非力で、重い武器も盾も装備できない彼女は、こういう状況では、いつも後方で回復役に徹している。リエナは素早くはぐれメタルから距離を取り、いつでも回復の呪文の詠唱を唱えられるよう、魔道士の杖を構え直し、精神を集中しはじめた。

 その隙に、アーサーも剣で攻撃する。けれど、身軽さを身上としているアーサーといえど、はぐれメタルを捉えるのは容易ではない。ことごとく、攻撃をかわされてしまった。

 はぐれメタルは次に何を思ったのか、リエナに眼を向けた。と同時に、真っ直ぐリエナに向かって地面を滑るように走り寄ってくる。

「危ない!」

 ルークが全力でリエナのもとに駆け寄るが、到底追いつけるものではない。はぐれメタルは地面から飛び上がり、リエナに体当たり攻撃を仕掛けてきた。三人の中では一番素早いリエナも、この距離では避け切れない。ぎゅっと眼を閉じ、手にしていた魔道士の杖を振りかざして、防御の体勢をとるしかなかった。

「……!」

 リエナのすぐ眼の前で、何やら鈍い音がした。また不思議なことに、攻撃を受けた痛みを感じるはずなのに、それがない。リエナは恐る恐る眼を開き、振りかざした杖を下ろして自分の足下を見下ろした。そこには、だらりと伸びたはぐれメタルが転がっている。

「……え? わたくし、いったい何をしてしまったの……?」

 地面で伸びているはぐれメタルの後ろに、ルークとアーサーの男二人が眼を丸くして立っていた。どうやら、リエナは自分の魔道士の杖で、はぐれメタルを倒してしまったらしい。その事実に気づいた瞬間、リエナの白い頬が一気に赤く染まった。

 ――その時、どこか遠くで高らかにファンファーレが鳴り響いた。

4.15

 ようやく今日からサイトを通常更新できることになりました。

 休止中にもかかわらず、足を運んでくださった方、拍手を押してくださった方、本当にありがとうございました!
 またこれから更新がんばりますので、よろしくお願いいたします!

 復帰第一段の更新は、旅のエピソード『俺の女』です。

 かなり時間軸を遡り、旅が始まってまだそんなに時間が経っていないころのお話です。

 前回更新の『菫色の涙』の続きも順番に書き始めているのですが、既に旅の終わりが見えてきていますから、この辺りはきちんと時間軸に沿って更新をしていきたいと思っています。というわけで、今のうちにアップしておかないと、日の目を見ないことになりそうですので、先にこちらを公開することにしました。

 このお話、多分、昨年夏ごろに出たネタで、作品になりきれずにずっとネタ帳ファイルのなかに埋もれておりました。先日あらためて既に書いてあった会話やシーンを読み返してみたら、結構分量もありましたし、大好きなベタなネタなので、もう一度手を入れてみました。時間を置いたおかげか、なんとか作品になってくれてうれしかったです。

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