昔のひとりごと
2012.12月
2012.12.31
一日遅れてしまいましたが、昨日はいいローレの日(11月60日=12月30日)でした! いうことで、ちょこっとですが、ルーク語りなど。
ルークのこども時代ってどんな感じだったのか、ちょっと妄想してみます。
大柄で力が強くて、身体が丈夫でよく食べる、健康優良児そのものでした。要するに、今と同じですね。
室内でじっとしているのが嫌いで、外を駆けまわるのが大好き。外で遊んでいる時にはしょっちゅう姿が見えなくなるので、お付きの侍従は追いかけるのが大変でした。ちなみに、姿が見えない時には、だいたい木の上にいたみたいです。ルークは今でも木登りが得意で、旅の間も林檎やらなんやらとっていました。
けれど、王太子である以上、しっかりお勉強もしなくてはいけません。基本的に真面目ですので、途中で抜け出したりもせず、ちゃんと講義も受けていました。剣が得意なイメージが強烈なので意外に思われるかもしれませんが、成績もよかったんですよ。
魔法についても同じで、魔力が皆無なことがわかったあとも、理論の勉強だけは続けていました。自分が魔法を使えなくても、上に立つ者として絶対に必要な知識だからです。
そして、時々はサマルトリアやムーンブルクに行くこともありました。アーサーや、リエナの亡き兄であるユリウスとも親交が深かったんです。王族ですから、遊び相手として仕えてくれるこども達(上級貴族の子弟)は大勢いますが、本当に意味でのお友達をつくるのはまず無理です。自分と同じ身分で同世代の彼らは、幼い時からいい友人で悪友となりました。
いつか、2トリオのこども時代のお話も書いてみたいな、と思います。
***
今年一年、当サイトに足を運んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
来年もぼちぼちまったり、サイトを続けていきたいと思います。連載もまだまだこれからなので、がんばりますね。
それではみなさま、よいお年をお迎えくださいませ。
12.27
『ひとひらの雪』アップしました。
12月15日のロレムン同盟さまの絵チャットで、蛍さまに当サイトのルークとリエナを描いていただきました。あまりに素敵な作品でしたので、お願いして書かせていただいたお話です。最初は会話だけのつもりが、イラストを拝見しているうちに掌編になりました。間違いなく、旅の途中であった出来事だと思いましたので、旅のエピソードでの更新です。
イラストのテーマは『鈍いローレにやきもきするムーン』です。更に蛍さまから、もし希望のシチュがあればどうぞ、とのありがたいお言葉もありましたので、『ルークが無意識にリエナにせくはらもどきをしてしまって、悩むリエナ』とリクエストさせていただきました。
書き上がった掌編を、ずうずうしくも当サイトでアップしたいとお願いしましたところ、蛍さまとロレムン同盟管理人の片瀬銀牙さまがこころよくご了承くださいました。
あらためて、お二方に心より御礼を申し上げます。
12.24
メリー・クリスマス!
今年はクリスマス作品は書けませんでした……。最近、直前になってネタが降ってくることが多かったので、今朝まで期待してましたが、降って来てくれませんでした。
うちの世界観にはクリスマスがないせいか、どうやらネタ切れだったようです。
去年、一昨年と別軸のお話をアップしましたので、もしかしたら今日何かあるかも、と来てくださった方がいらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
でも、いくら何でもこれだけでは管理人もつまらないので、ちょっと妄想語りなど。
ルークがリエナへクリスマスプレゼントするとしたら何だろう、とか考えてました。
順当なところでは、アクセサリーなどでしょうが、旅の途中だと難しいですよね。でも、細いペンダントなんかならいいかもしれません。ローブの下につけて上からほっかむりしてれば邪魔にならないし、失くす心配もありません。
ただ、問題がひとつ。ルークはアクセサリーにまるっきり興味がないんですよ。王族なので、男性もふだんから宝石を身につける習慣はあります。
でもルークは、公式行事などで必要最低限のもの、それも衣裳係の人が選んでくれたものを渋々身につけるくらいでした。邪魔になるのが嫌みたいなので、マントの留め金(でいいのでしょうか?)や、儀式用の剣帯が中心だったようです。
そうはいっても、生まれた時から本物に囲まれて生活してましたから、良いものかどうかと、なんとなくでも本物かどうかはわかるみたいです。でも、どんなものが流行していて、リエナがどんな好みかはわかりません。
王子様しているときなら、お付きの女性陣がばっちり選んでくれるでしょうけど、旅の間はそれもない。頼りになるのはアーサー(彼はセンスもいいです)だけですが、まさか相談するわけにはいかないし。(ルークが嫌がりました。からかわれるから、です)
まあ無難に、一緒にお店に行って、リエナ本人に選んでもらうのがいちばんいいかもしれませんね。リエナも『ルークが自分に贈ってくれた』気持ちがうれしいでしょうから。
逆にリエナがルークに、というのも考えてみました。これまた旅の途中では難しかったです。身につけるものを贈るわけにはいかないし、荷物も増やせません。まあ、毎日おいしい手料理をつくっているのが、いちばんのプレゼントのような気もします。
王女様していれば、自分で作ると思います。そういえば以前、もし二人が順当に結婚できていたら妄想をしていた時のメモには、イニシャルを刺繍したハンカチとかありました。相手を想いながら、一針一針、心をこめて刺繍するリエナの様子が浮かんでいたことを覚えています。
12.20
管理人からのお知らせです。
昨日アップした『旅路の果てに 第5章−4』を一部のみ修正しました。
内容の変更はありませんが、ラストの部分を一節だけカットして、一ヶ所文章を入れ替えました。きちんと推敲したつもりでしたが、続きを書き始めてこちらの方が明らかにいいとわかりましたので、修正させていただきました。
申し訳ありませんでした。よろしくおねがいいたします。
12.19
『旅路の果てに 第5章−4』アップしました。
思ったよりもずっと時間がかかりました。今回もかなりの部分を書き足しています。
***
ちょっと妄想、というか、設定語りなど。
テーマはムーンちゃんの髪型についてです。
ご承知のとおり、ムーンちゃんは下ろしたロングヘアにほっかむり(当サイトの作品中では頭巾と表現)というスタイルです。
シンプルだけれど特徴があって、とても可愛いですよね。当サイトはSFC版準拠なので、金髪設定で、リエナはプラチナブロンドの巻き毛です。もちろん、FC版の紫の髪も可愛くて大好きです。
リエナの旅の間のヘアスタイルは、背中まである巻き毛を下ろして紅色のほっかむりでしたが、実は旅の前後は違いました。
旅が始まる前のお話である『春の夜の月』でちょろっと書きましたが、当サイトの設定では、『王族・貴族は成人したら、結い上げてアップスタイル』にしています。リエナは15歳の誕生日に成人の儀を行い(このお祝いの舞踏会でルークと出会いました)旅立つ時まで、ずっとアップです。
けれど、旅の間は下ろしています。これはどうしてか、いろいろ考えていたらふっと、一般庶民の人達は、
結い上げている
= 人妻
下ろしている
= 未婚女性
じゃないかしらん、と思いつきました。で、これで納得したんです。リエナは『成人』ではあるけど、『未婚女性』だから、下ろすことにしたわけですね。
当サイトの世界観は中世ヨーロッパ(もどき)をイメージしているので、結婚年齢も現代よりずっと早く、女性は10代後半で当たり前という感じです。旅立ちのとき、リエナは15歳ですが、庶民でもこれくらいで結婚するのは珍しくありません。
そんな世界でリエナがアップスタイルだとすると、『若くて可愛らしい奥さん』になってしまいます。もし、リエナがアップスタイルでルークと二人だけで歩いていたら…、確実に『新婚さん』に間違われてしまいますね。
それどころか、アーサーも含めて三人で旅していて宿に泊まるとき、二部屋取ったら、宿の人達の認識では、アーサーが一人部屋で、ルークとリエナが二人部屋(しかも、いわゆるツインではなくダブルルーム)という、大変深刻な状態に陥ってしまうことになるでしょう。
現在連載中の『旅路の果てに』では、リエナはアップスタイルです。療養中でもあるため、あまりきっちりとは結い上げず、もうすこし柔らかい感じに結っています。
では、就寝時はどうしていたか。ゆるいひとつみつ編みにしています。長くて柔らかい巻き毛なので、とても絡まりやすいですから、そのまま眠ることはしません。結いあげるのはもちろん、みつ編みも、王女さま時代は侍女にやってもらっていました。
旅の間は自分ですることになります。リエナがブラシで髪をとかす仕草に、間違いなくルークは見惚れていたのではないかと。特に野宿のときなど、月光が髪に当たって、一際輝きを増していたでしょう。
あまり不躾な視線を送るわけにはいきませんが、ついつい眼がいってしまって、結果として、しっかり見つめています。リエナはなんとなく視線を感じてどきどき。アーサーは内心で「やれやれ」と苦笑しつつ、気づかない振り、してくれそうです。
12.16
昨日、ロレムン同盟さまの絵チャに参加させていただきました!
管理人はいつもどおり、絵師さまたちの素晴らしいイラストを堪能しつつ、お話させていただきました。もうすっごく、楽しかったです!
自分の眼の前で、素敵な作品ができあがっていく過程を拝見するのは本当に楽しいです。今回は最後に創作話や設定語りなどでも盛り上がったので、たっぷりのロレムン充はもちろんのこと、とてもいい刺激を受けました。
ご一緒してくださったみなさま、ありがとうございました!
今回も素敵にらぶらぶなロレムンがたくさんです。近日中にログアップされますので、みなさまもぜひ!!
そして…! なんとなんと、ご一緒させていただいた蛍さまに、当サイトのロレムン二人、ルークとリエナを描いていただいてしまいましたー!!!
リエナが本当に美しくて溜め息ものです…。それにまた、ルークを男前に描いてくださって(実物の10倍は男前ではないかと)うれしくてたまりませんでした。シチュも萌えて萌えて仕方ありません…!
既に蛍さまのサイトにアップされています。もちろんロレムン同盟さまの絵チャログにもアップされますので、みなさま、必見です!
蛍さま、本当にありがとうございました!
たっぷりロレムン充してきましたので、連載もがんばりますね! 何とか今週中に更新したいと思っています。
12.1
大好きなサイトさん巡りをしておりましたら、11月30日は『いいサマルの日』だそうですね。サマル兄妹でちょっとしたねたが浮かびましたので、ここで小話を書いてみますね。本当は当日にアップしたかったんですけど、書いているうちに日にちが変わってしまいました。
時間軸としては、ルークとリエナが出会い、お互いに無自覚一目惚れ → 婚約内定したばかりで、大神官ハーゴンがムーンブルクに攻め入る数ヶ月ほど前になります。トリオが幸せに王子様王女様していた頃です。ちなみにアーサー17歳、妹姫のルディアは12歳。文中に登場するコレットはアーサーの婚約者(オリキャラ)です。ロレムンの二人は直接登場していませんが、よろしければどうぞー!
***
図書室を出たアーサーは、足早に廊下を歩いていた。
重厚な扉の前に立つと、護衛兵が礼を取り、恭しく扉を開ける。女官に出迎えられ、室内に入った。バルコニーに近い窓辺には大きな卓が設えられ、卓上には午後のお茶の支度が既に整っていた。二人分用意された席の一方には美しい少女が座っていて、窓の外を眺めている。アーサーの妹で、サマルトリア第一王女のルディアである。
「ごめん、遅くなってしまって」
ルディアは謝る兄の方をちらりと見遣ったが、すぐに窓の外に視線を戻した。
「よろしくてよ。お兄様のことですもの、また図書室で読書か調べ物をなさっていたのでしょう?」
「ばれてたか。――ちょっと気になったことがあってね」
「もう慣れましたわ。でも、いつもこれでは、コレットお義姉様も先が思いやられますわね」
書物好きのアーサーは暇さえあれば図書室に籠っているのである。そのため、サマルトリア城では、『王太子殿下のお姿が見えない時にはまず図書室へ』が侍従達の合言葉になっているほどだった。
「コレットなら、何も言わずに出迎えてくれる。――お前とは違うよ」
冗談めいた口調とは反対に真剣な顔でそういう兄に向って、ルディアは小首を傾げて可愛らしい溜め息をついた。
「わたくし、お義姉様みたいにものわかりがよくはありませんのよ」
すこしばかり不服そうになめらかな頬を膨らませている。その横で、アーサーを迎えてくれた女官が二人にお茶を注いでくれた。
「せっかくのお茶がさめてしまう。文句はそれくらいにしないか」
アーサーは笑いながら茶碗を手に取り、ゆっくりと一口味わった。
「初めて飲むお茶だね」
「ムーンブルクのリエナ様からの贈り物ですわ。とてもおいしかったので、お兄様にも味わっていただきたくて」
「なるほど。確かにおいしい」
そう言うアーサーに向かって、ルディアは明るい笑みを見せた。いろいろと文句は言ってはいても、ルディアは兄を心から敬愛していたから、機嫌が直るのも早いのである。
「ところで、お兄様」
「うん、何かな」
「ローレシアのルーク様とムーンブルクのリエナ様のことですわ。ご婚約が内定なさったのですってね」
愛らしいルディアの瞳はきらきらと輝いている。アーサーは思わず苦笑をもらした。
「なんだ、もう聞いたのか。でも、まだあくまで『内定』だから、あまり公に口にしてはいけないよ」
「もちろん承知しておりますわ。でも、お兄様が相手でしたら構いませんでしょう?」
「要は、僕からいろいろと話を聞きたい、そういう訳か。今日のお茶の誘いも、それが目当てらしいな」
ルディアは12歳である。確かにこの年齢なら、既に恋に憧れを持ってもおかしくはない。
「ねえ、お兄様。リエナ様は本当にお美しい方ですってね。『月の女神の再来』と謳われているほどだと伺いましたわ」
「確かにそう謳われるだけの姫君だったよ。如何にも『古の月の王国』にふさわしい神秘的な美しさを持つ方だ」
アーサーの話にはやくもうっとりとしているルディアも、目の覚めるような美少女である。輝く蜂蜜色の金髪と、くるくると表情の変わる緑柱石の瞳は、リエナとはまた違う魅力を持っている。
「早くお会いしてみたいわ。お父様におねだりして、わたくしもルーク様とリエナ様の婚礼の儀に出席させていただこうかしら」
「おいおい、それはいくらなんでも……」
通常、成人していない王族が他国の公式行事に参加することはまずない。それに王太子の婚儀であれば、国王宛てに招待状が届くから、実際に出席するのは名代のアーサーである。
「リエナ様が公式行事でサマルトリアにいらっしゃることはあまりないでしょう? あ、そうだわ。お兄様のご婚儀でしたらありそうですわね。その時には、正式にルーク様とご婚約なさっているでしょうから、お二方揃っていらっしゃるかもしれないわ」
うれしそうに手を合わせて微笑むルディアに、アーサーは言った。
「やれやれ。お前は相変わらずだ。そんなふうでは、どこにも輿入れできなくなるよ」
アーサーの言葉はもちろん冗談である。ルディアは美しく聡明であると評判の姫君で、早くも縁談が来始めているのだから。
「あら、そのときにはずっとサマルトリアにおりますわ。そうすれば、いつでもこうしてお兄様とお茶をご一緒できますし」
真顔で言うルディアに、アーサーは内心では溜め息をつきつつも、やはりたった一人の妹にこう言われるのは悪い気がしなかったのである。
(終)
***
ルディアは『お兄様大好き』です。そしてアーサーはこんな感じで妹姫とおしゃべりをしているうちに、女性の相手がますます得意になっていった気がします。
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