清水ももこさまより、当サイトのリエナの素晴らしいイラストを頂戴しました!
ある春の日の、宿屋での情景を描いてくださった作品です。
この作品を拝見した瞬間、管理人の顔がほころんでしまいました…!
リエナの女の子らしい、明るい微笑みが可愛くて可愛くてたまりません。そして、彼女の最大の魅力である菫色の瞳が本当に綺麗です…!
ももこさまは、このイラストに添えて、リエナに「春」のイメージがあるとコメントしてくださいました。
リエナは春生まれでもあり、管理人自身も、まさにその通りのイメージを持っています。
そのことが、こちらにとてもよく伝わってきて、感動しています!
過酷な旅の日々での、ほっとできるひととき。ももこさま、こんな素敵な情景を描いてくださって、本当にありがとうございました!
うれしさのあまり、つい浮かれて文章を書いてしまいました。
よろしければ、どうぞー!
***
あるうららかな春の日のことである。
リエナは宿の一室で、心地よい目覚めを迎えた。手早く身支度を終えると、窓のカーテンを開ける。眼の前に広がる光景に、菫色の瞳が大きく見開かれる。澄みきった青空のもと、一本の木が窓にかからんばかりに枝を広げ、淡い桃色のちいさな花が、今を盛りと咲き誇っていたからだ。
「なんて、綺麗……」
リエナは窓を開けた。穏やかな風に乗って、かぐわしい香りが漂ってくる。花に顔を近づけると、芳香を胸一杯に吸い込んだ。
限りなく甘く、どこかしら懐かしい、その香り。
「この香り、どこかで……」
しばし眼を閉じ、ゆっくりと記憶をたどってみる。幼いころの懐かしい思い出に繋がるのは確かなのだけれど、残念ながらどうしても思い出せない。リエナは、ほうっと息をはいた。
「またいつの日か、思い出せる日も来るわ。だって、わたくしにとって大切な思い出に違いないもの」
そうつぶやく彼女の口元には優しい微笑みが浮かんでいる。
その時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。隣の部屋に泊った、ルークとアーサーが朝食の誘いに来たに違いない。リエナは窓を閉めると、軽い足取りで、扉へ向かった。
( 終 )
***
このお話に登場する、リエナの思い出についてです。
ご興味のあるかたは、 こちら をどうぞ!(注:オリキャラ登場します)
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