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驟雨    後編 side ルーク
 ある初夏の日の夕方、三人は今夜の野宿の場所を探しながら歩いていた。

 昼間はいい天気だったのに、いつの間にか空が暗くなってきている。どす黒い雲が空を覆い、今にも雨が落ちてきそうな空模様だ。

「やばいな……。今夜の寝場所を早く探さないと。降ってきたら厄介だ」

 先頭を歩いていたルークはそうつぶやいた。リエナがそろそろ疲れが出たころかもしれないと心配になり、後からついて来ている彼女を振り返る。

「リエナ、大丈夫か? まだ歩けそうか?」

 リエナはしっかりと頷いた。

「ええ、大丈夫よ」

 最後尾にいるアーサーも、リエナに声をかけた。

「リエナ、無理しないで。今日も疲れてるだろうから、つらくなったら早めに言うんだよ」

「ありがとう、アーサー」

 その後も、三人は歩き続けたが、なかなかいい場所が見つからなかった。

 急いで歩いたにもかかわらず、やはり降って来た。雨宿りする間もなく、土砂降りになる。あっと言う間にずぶ濡れになってしまったが、この辺りには雨を避ける適当な場所もなく、仕方なくそのまま歩き続けた。

 降りしきる冷たい雨のせいで、リエナは急に疲れてきたらしい。必死についてきているが、どうしても遅れがちになってしまっていた。

(リエナがそろそろ限界か……。まだ、いい場所は見つかりそうにないしな)

 そう思ったルークは立ち止まると、リエナに声をかけた。

「おい、リエナ。疲れたんだろ? 俺が荷物持ってやるから」

「え? わたくしなら大丈夫。もうすぐどこかで休めるでしょう?」

 リエナは気丈に答えたが、顔には疲労が色濃く現れている。明らかに遠慮しているのがルークにはよくわかる。

「また、お前の悪い癖が出た。疲れたんなら、素直にそう言え」

(頑張り過ぎて、倒れられたら心配だろ?)

 本当は続けてこう言いたかったのに、ルークはついいつもの癖で、言葉を飲み込んでしまった。

「ほら」

 ルークはリエナの荷物に手を伸ばす。アーサーもルークに同意した。

「リエナ、ルークの言う通りにした方がいいよ。今夜の宿はまだ決まってないんだからね」

 そこまで言われて、ようやくリエナはルークに荷物を預けてきた。

 叩きつけるような激しい雨の中を三人は歩き続け、日暮れも近くなったとき、ようやく岩山の影に洞窟らしきところを見つけることができた。皮肉なことに、その時にはあれだけ降っていた雨が、ほとんど小雨になっている。

 洞窟の中に危険がないかどうか、アーサーが調べに行ってくれた。しばらくして戻ってきたアーサーは笑顔になっている。

「大丈夫。ごく浅い洞穴だったよ。魔物や危険な動物の気配はないし、雨もしのげるから、あそこに決めよう」

 三人で中に入り、リエナが魔物除けの呪文を唱え、続けてアーサーが灯火の呪文を唱えると、洞窟全体がほんのりと明るくなった。

「ひどい目にあったな。――リエナ、大丈夫か?」

 ルークは預かっていた荷物をリエナに返した。

「大丈夫よ、ルーク。ありがとう、わたくしの荷物、重くなかった?」

 礼を言って、リエナは荷物を受け取った。その姿を真正面から見たルークは、思わず眼を逸らしてしまった。

(……おい、リエナ……って多分、自分がどんな姿になってるか、気づいてないんだ)

 リエナのたっぷりとした白いローブは、雨にぐっしょりと濡れて、身体に張り付いている。そのせいで、普段は隠されている豊かな曲線が露わになっていた。

(頼む、早く着替えてくれ……!)

 そう願いながら、リエナの姿をこれ以上見なくても済むよう、わざとそっけなく答えた。

「これくらい、別に重くねえよ。それより早く着替えろ。風邪引くぞ」

「ええ、そうさせてもらうわね」

 リエナはやはり気づいていないらしい。まったく気にしたふうもなく、荷物を持って洞窟の一番奥に行く。ルークはリエナの着替えが見えないよう、毛布を広げて背を向けた。

 自分の背中越しでリエナが着替えている。その気配に、ルークは嫌でもさっきのリエナの姿を思い出してしまう。

(本当に眼に毒だったぜ。リエナに自覚がないから、余計に始末が悪い……!)

 必死にリエナの姿を頭から追い払おうと努力したが、脳裏に焼き付いて離れない。リエナは手早く着替えをしているはずだが、ルークにはとてつもなく長い時間に感じられた。ようやく終わったとルークに声がかかり、そのまま背中越しに毛布を渡した。

 ルークはほっと一息ついた。何気なくリエナの方に視線を移すと、毛布の胸元をしっかりとかき合せている。

(えらく毛布の前を気にしてるみたいだけど……)

 そこまで気にしなくても、と思ったが、いつもはローブで隠れているはずの、リエナの鎖骨がわずかに覗いている。

(そういや、着替えのローブはここんとこの戦闘で、着られる状態じゃなかったんだ……。ということは、毛布の下は……)

 この後すぐにルークも着替えて毛布をかぶったが、リエナの様子が気になって仕方がない。なるべく見ないようにはしていても、つい眼がリエナの方へ行ってしまう。

 アーサーも着替えを済ませると火を熾し、それぞれ適当な場所に濡れた服をかけた。今夜は携帯している食料で簡単に食事を済ませることにする。リエナは明らかに疲れているし、第一、とても今の恰好のままでは料理などできないからだ。リエナはやはり疲れがひどいらしく、食後すぐに毛布にくるまって横になった。アーサーはいつものように入口近くに横になり、今夜先に火の番をするルークは、リエナを守るように少しだけ離れて隣に座った。

 しばらくして、ルークはリエナの様子がおかしいのに気づいた。ぎゅっと眼を閉じてはいるが、どうも眠れないらしい。心配になってそばに寄ってみると、いつもよりも顔が赤い。表情もだるそうで、息が浅く、早くなっている。

「リエナ、大丈夫か?」

 ルークがリエナの額に手を触れてみると、燃えるように熱い。

「――お前、熱出てるぞ」

「え……?」

「アーサー、リエナが熱を出してる。熱冷ましの薬草を頼む」

 そう言いながら、自分の毛布をリエナに掛けた。リエナは申し訳なさそうにこちらに顔を向けている。

「ルーク、ありがとう。でも、あなたが寒いんじゃ……」

「俺は平気だ。お前と違ってもともと丈夫にできてる。それより、リエナ、我慢するなっていつも言ってるだろ? こんなところで風邪をこじらせたらどうするつもりだ?」

 リエナを心配するあまり、つい口調が強くなってしまう。

「ごめんなさい……」

 リエナはか細い声で、謝った。

 そこへアーサーが薬湯を持って来てくれた。ちょっと困ったように、ルークに話しかけた。

「ルーク、もうそれくらいにしておきなよ。さ、リエナ、これ飲んで。少しはあたたまるはずだからね」

「ありがとう、アーサー」

 リエナはアーサーから薬湯を受け取ると、ゆっくりと飲み干し、もう一度横になったが、ルークは心配で仕方がない。

(これで熱が下がればいいが……。ここのところずっと毎晩野宿だし、今日も戦闘続きで体力も魔力も消耗してるはずだからな……)

 ルークは火の番をしながら、日課となっている剣の手入れをしていた。いつもと変わらず、真剣な表情で一心不乱に手を動かす。手入れが終わり、片づけようと思ったところでリエナの視線に気づいた。

「どうした? ――まだ、寒そうだな」

 もう一度リエナの額に手を当てる。薬湯を飲んだのに、さっきよりも熱が上がっている気がする。

「仕方ないな……」

 思わず、つぶやきが出る。

(下手に風邪をこじらせたら生命にかかわる。リエナをこんな所で死なせるわけにはいかない)

 ルークは思い切って、リエナに声をかけた。

「リエナ、今あっためてやるから、待ってろ」

 手入れを終えた剣を片づけると、いきなりルークは上半身の肌着を脱いでリエナの毛布にもぐり込んだ。アーサーからリエナの姿が見えないよう、入り口に背を向けて、すっぽりと包みこむように華奢な身体を抱きしめる。

「え……? ルーク、なにを……」

 このルークの突然の行動に、リエナは驚いて訴えた。ルークはリエナから顔をそむけたまま、わざとぶっきらぼうに言った。

「こじらせるよか、ましだろ? 嫌かもしれんが我慢してくれ」

 リエナの身体は予想通り、燃えるような熱さにもかかわらず、寒気のせいで細かく震えている。

(かわいそうに、こんなに寒かったのか。でも、まだ寒いって言えるわけないよな。毛布だって、これだけしかないんだし)

 アーサーが黙ったまま起き上って火のそばに行き、こちらに背を向けて座ったのが気配でわかった。何も言わなくても今夜の火の番をしてくれるようだ。

 リエナはルークの腕のなかで、緊張のためか身体を固くしているが、やはり寒さには勝てないらしく、素直にされるがままになっている。

 しばらく無言のままじっと横たわっていたのだが、ルークは急にリエナが自分にすがりついてきた気がした。

(リエナ……? 今、俺に……)

 ルークも、リエナを抱く腕に力を籠めていた。

(リエナ、俺は……お前に惚れてる。お前が俺のことをどう思ってるかは、わからない。でも、俺はお前を守りたい、この手で幸せにしたいんだ……)

 ようやく身体があたたまってきたらしいリエナは、いつの間にか安らかな寝息を立てていた。ルークは心から愛おしげに、自分の腕のなかで眠るリエナの寝顔を見つめていた。

(なんだか、いつもよりも穏やかな寝顔のような気がする。こうして抱いていると安心できるのか? ……まさか、な。……だが、もしそうなら、毎晩でもこうやって眠らせてあげたい……)

 リエナの長い巻き毛が、熱のせいで赤らんだ頬にこぼれかかっている。ルークは起こさないように気をつけながら、そっとかきやった。その時、何気なくリエナの胸元が眼に入った。

(……うわ!)

 少し開いた肌着の襟元から、胸の谷間がはっきりと見えている。いつもはゆったりとしたローブに隠されているそこは、輝くばかりに白く、驚くほどたっぷりと張りつめていた。

 おまけに、いくらあたためるためとはいえ、二人はしっかりと抱き合ったままである。そのせいで、リエナの豊かな胸は、ルークの身体に押し付けられた格好になっている。

 急にルークは、薄い肌着一枚隔てただけの、リエナのやわらかな胸の感触に気がついた。

(リエナの……。こいつ、いつの間にこんなに……!)

 一度そちらが気になってしまうと、後はもうどうしようもない。

(リエナはもう眠ったし、毛布から出ても……。いや、今俺があっためるのをやめたら、また寒さで寝られないだろうし……)

 頭を悩ませながらも、つい眼が胸元に行きそうなのを、必死にこらえてもんもんとしていたその時、背後から突然声がした。

「ルーク、まだ起きてるんだろう? リエナはもう眠ったみたいだけど」

(げ、アーサー? なんでよりによって、こんな時に……!)

 うろたえていたルークはアーサーに背を向けたまま、内心の動揺を隠すためにわざと不機嫌に答えた。

「なんだよ、アーサー。リエナならやっと寝たぜ。何か用か?」

「ルーク、よくつらくないね」

「つらい? 何がだ」

 突然こんなことを言われても、ルークには訳がわからない。

「好きな女性が薄物一枚で自分の腕のなかで眠ってるのに、よく平気でいられるなって、感心してるんだよ」

 ルークは内心ぎくりとした。

(アーサーに気づかれた? まさか、な。いくらこいつが勘がよくても、そこまではわかるわけないよな)

「リエナは病気なんだ。つらいもつらくないも、ないだろ?」

 ルークは何とか平静を装って、そっけなく答えた。アーサーは声音に呆れたような色が混じるのを隠そうとはしなかった。

「そういうところ、お前らしいと言えば、お前らしいけど……」

「えらい、含みのある言い方じゃねえか」

 答えるルークの声はますます不機嫌になる。

「じゃあ、はっきり言おうか。リエナを欲しくないの?」

 痛いところを突かれて、ルークは何も言えない。アーサーがかすかに笑う声が聞こえる。

「なんだ、やっぱり欲しいんだ」

「……わかってるんなら、聞くな」

「でも、今夜は手を出しちゃ駄目だよ」

 ルークが呆れたように溜息をついた。

「出せるわけないだろ? お前、何馬鹿なこと考えてるんだよ」

「それなら、いいけどね」

 その時、アーサーの聞きとれるか聞きとれないかくらいの、かすかなつぶやき声が聞こえてきた。

「リエナもつらいだろうな」

「何か言ったか?」

「別に。ただ、リエナがちょっと気の毒になったから」

「気の毒? どういう意味だ。……やっぱり、こうやってあっためるのは、迷惑だったってことか?」

 アーサーがふっと息を吐く気配がした。

「そうじゃない。あんまりリエナを悩ませたら、かわいそうだと思っただけだよ」

「かわいそう?」

「そりゃ、そうだよ。いくら風邪をこじらせないためとはいえ、男に抱かれて眠ってるんだよ。それも、何も言ってくれない男にね」

「……何が言いたい」

「まだ、告白する気はないの?」

 アーサーはいつもと変わらない口調で、淡々と尋ねた。

「……いきなりなんだよ」

「いい加減、はっきりさせたら? 見てるこっちのほうがはらはらする」

「言えるわけねえだろ。俺達の目標は、あくまでハーゴンを倒すことだ。第一、俺とリエナはもう……。お前だって、事情は承知だろうが」

「じゃあ、ずっとこのまま?」

「……とにかく、すべてはハーゴンを倒してからだ。リエナとのことは、旅を無事に終わらせてからじゃないと、何も始められない」

「告白する気はあるわけ?」

 この問いに、ルークはきっぱりと答える。

「ああ。俺には、リエナしかいない」

 ルークはアーサーに背を向けたまま、リエナをじっと見つめている。彼の深い青の瞳には、抑えきれないリエナへの想いがあふれていた。

 アーサーも安心したように、息をつく。

「それなら、いいよ。でも、あんまり優しくし過ぎない方がいい。リエナは混乱してる」

「混乱?」

 ルークには意味がわからない。

「自分の胸に手を当てて、よく考えてみるんだね」

 アーサーは冷たく突き放した。

「火の番は僕がしておく。こっちは気にしなくていいからね。おやすみ」

 何も答えられないルークを放っておいて、アーサーが再び火の近くに戻っていく気配がした。

 その後もルークは一向に眠れなかった。先程のアーサーの言葉が気になって仕方がなかったのだ。

(リエナが混乱してる? どういう意味だ?)

(俺がリエナを想う気持ちが負担になるってことか? それとも、俺のことなんか嫌いで……、いや本当に嫌だったら、俺がこうしてあっためるなんてことさせないだろうし、そういや、アーサーのやつはリエナに優しくし過ぎるなって言ってたな……。ああ、訳がわからん……!)

 思わず頭をかきむしりたい衝動に囚われる。リエナの方を見れば、今度は嫌でも豊かな谷間が眼に入る。眼に入れば、自分に当たるやわらかい感触を意識せざるを得ない。

(これじゃ、まるで拷問だ! 何とかしてくれ……!)

********

 夜が明けた。

 リエナを抱いたまま、一晩中もんもんとし続けていたルークの背後で、アーサーが声をかけた。

「ルーク、リエナの様子はどう?」

「ああ、もう熱は下がったみたいだ。ずっとよく寝てたから、今日は普通に出発できるだろうな」

 睡眠不足のせいか、不機嫌さを隠そうともしないルークの声に、アーサーが笑った。

「やっぱり、一睡もできなかった?」

(お前のせいだろうが!)

 ルークは余程そう叫びたかったが、かろうじて言葉を飲み込んだ。こんなことを言ったら、また何を言い返されるかわからない。

「図星みたいだね。まあ、無理もないけど」

 アーサーが薄く笑っているらしい声が聞こえてくる。

「僕は外の様子を見に行ってくる。リエナは起きるまで、そのままゆっくり寝かせてあげて」

 そう言うと、立ち上がって洞窟を出て行く足音がした。

 ルークの腕のなかで、リエナはまだよく眠っていた。幸いかなり回復したようで、顔色もよくなってきている。

 しばらくして、眼を覚ましたリエナが、ゆっくり顔をあげて自分の方を見た。

 その時突然、ルークは抱きしめる腕に思い切り力を籠めて、そのまま唇を奪ってしまいたい衝動に駆られた。しかし、かろうじてそれを抑えつけ、その気持ちを悟られないよう、わざとぶっきらぼうにリエナに尋ねた。

「気分はどうだ? 熱は下がったみたいだけど……」

 リエナの方は、まだ自分の腕に抱かれたままなのが恥ずかしいのか、ほのかに赤くなって眼を逸らしてしまっている。

「ええ、もう大丈夫よ。――ありがとう」

「今度からは、もう無理すんじゃねえぞ。わかったな」

 それだけ言うと、自分の不埒な想いを断ち切るように、わざとそっけなく腕を離し、背中を向けると毛布から出て行った。

 ルークは昨夜と同じように着替えをするリエナの姿を毛布で隠した。その間も彼女の様子が気になって仕方なかったが、無理やり気持ちを切り替えた。身支度を終えたリエナの様子をみると、幸い風邪はすっかりよくなったようである。

 外の様子を見に行っていたアーサーも帰ってきて、リエナに声をかけた。

「どう? だいぶよくなったみたいだね。でも、無理しちゃ駄目だよ。つらくなったら遠慮せずに言うこと。いいね?」

「ごめんなさい、心配かけて」

「僕のことはいいよ。ただ、ルークのやつが、心配で死にそうになってたから」

 これを聞いたルークが、アーサーに掴みかかりそうになる。

「お前……! 余計なことを!」

「いつものことじゃない?」

 アーサーは慣れた仕草で軽くかわした。

 その後三人で朝食を取り、火の始末をして、出発した。今朝は昨日の雨が嘘のような晴天だった。

 リエナはいつも通り、ルークの後ろからついて歩いてくる。ルークはその日一日中欠伸ばかりしていた。それに気づいたリエナが、申し訳なさそうに話しかけてきた。

「ルーク、眠そうね。ごめんなさい、わたくしのせいね……」

 ルークは自分の表情が、強張ったのがわかった。

(リエナ、昨夜の俺のこと、気づいてるんじゃないだろうな。……まさか、な)

「……やっぱり、そうね。これから気をつけるわ」

 ルークはリエナに視線を合わせることができず、横を向いたままぼそっとつぶやいた。

「いや、その……、無理はするなよ」

 二人の会話を聞いていたアーサーはこっそり忍び笑いを漏らした。

                                             ( 終 )

                                        前編 sideリエナへ
                                      番外編 sideアーサーへ
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